2014/11/01

8月の会議と9月会議の報告

こんにちは、blog担当の高橋です。

今日は、8月1日に青山学院大学で開かれた会議と9月15日に成蹊大学で開かれた会議のご報告を致します。




○8月会議
1. Pre-Australs反省
2. 会場提供校のジャッジ免除の繰り越しについて
3. 大会出場資格について

1. Pre-Australs反省
6月21日に行われたPre-Australsに関して、運営の行程決めや、引継ぎの際の注意点などに関して議論され、洗い出された反省点は来年度以降の運営に引き継がれることになりました。

2. 会場提供校のジャッジ免除の繰り越しについて
現在JPDU大会のための会場確保に協力して下さる大学に対しジャッジ免除を行っていますが、その免除枠の繰り越しの是非及び程度に関して議論が交わされました。だいぶ議論は進んだのですが、運営上の懸念点が残っているため最終決定は今後の会議で行う予定です。

3. 大会出場資格について
大学対抗大会において、同大学に2つ以上の団体が存在し出場する場合の出場枠に関して議論がされました。暫定的には団体ごとにキャップを設定することに致します。今後、団体が複数存在する状況になった経緯や団体の規模といった要素を、どうキャップを設定する際に反映させていくかに関して議論がなされる予定です。

4. 実績リストの公開について
先日JPDUはディベーター・ジャッジの実績リストを作成致しました。
情報収集にご協力いただいた大学の皆様、ありがとうございました。
この実績リストですが、JPDU以外にも各大学が主催する大会等で利用を希望される大学に対して公開すべきか議論がなされました。議論の結果、利用希望を頂いた大学に対しては公開することに致しました。

他にも、9/5~9/7の夏セミナーの進捗状況、練習会についての報告がありました。
夏休みを返上したJPDU役員によって夏の暑さにも負けぬ熱い議論が交わされました。


引き続き、9月の会議の報告を致します。

○9月会議
1. AC選出ガイドライン
2. 新歓について
3. 地方での練習会について
4. 備品について

1. AC選出ガイドライン
AC選出の際のガイドラインに関して、基準となる実績の程度や継続状況などに関して議論が交わされました。9月会議では決定まで至らなかったため、今後更に議論する予定です。

2. 新歓について
新歓期の人手・備品などに苦慮する大学は新興大学を中心に多いのではないかと推測されますが、JPDUとして何か新歓期に大学に対してできる協力がないか検討していきたいと考えています。

3. 地方での練習会について
JPDUではディベートをしている大学が少ない地方での練習会を支援する予定です。
今回は九州地方の練習会へのレクチャラーの派遣について検討・協議致しました。

その他夏セミナーの最終報告、及び関西での秋Tをはじめとした各大会の報告が行われるなど、多くの議論が行われました。

今回のご報告は以上です。

2014/10/26

JPDU Summer Seminarが開催されました

こんにちは、blog担当の高橋です。

今日は、9月5日から7日まで国立オリンピックセンター、代々木八幡区民会館、文京区区民センター、文京区区民会議室で開催されたJPDU Summer Seminar(通称、夏セミ)についての報告を致します。

夏セミは毎年夏季に開かれるJPDU主催のディベートセミナーです。今回も30以上の大学から150人以上のディベーターが参加する大規模なセミナーとなりました。今年は韓国のKorea UniversityよりHyewon Noelle Rhoさんにレクチャラーとして参加していただき、日本の各大学から参加していただいたレクチャラーと共にレベルの高いレクチャーを提供しました。また、初級、中級、上級それぞれのコースでラボ制が導入され、参加者のディベーターは特定のレクチャラーに集中して指導を受けました。参加者の方々はレクチャー、ディベート、レセプションを通じてディベートのスキルを向上させ、様々なディベーターとの交流が深めていました。

レセプションの様子

最後に、実行委員長(TD)を務めた新居直央子さんのメッセージをご紹介したいと思います。
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JPDU Summer Seminar2014におきましてTotal DirectorTD・実行委員長)を務めさせていただきました、国際基督教大学4年の新居直央子と申します。
普段あまり表に出てこないコミ側の人間として、ブログという機会を頂けてとても光栄です。ちょっと愚痴っぽくなってしまいましたが、運営した感想を少しだけシェアさせて頂きます。

運営で一番大変なのは、やりたいことと出来ることのギャップに苦しむことだと思います。
その最たるものが会場です。今回の夏セミ最大の特徴は、史上初の複数会場実施でした(二度と起こらないことを祈ります、笑)。理由は簡単、オリンピックセンターの部屋を十分に確保することが出来なかったからです。TD就任直後、会場引き継ぎを見た時の衝撃は忘れません。例年の3分の1くらいしか教室数がない、え???
今話題になっていますが、会場の確保というのはかなり厳しいのが現実です。その一因にはやはりディベートの認知度の低さも関係があると思います。例えば100人がディベートするために必要なのは、100人部屋1つではなく4人入る部屋が25個。一般の方にはそのイメージが伝わりづらく、ディベートするために部屋を貸して下さいとお願いしても、やたら施設を占拠する団体として不審な目で見られる事が多くあります。
会場が分かれたことにより別の制約もうまれます。ラボ配置・ラウンド数・タイムスケジュール・・・それでいて参加者内でセミナー内容に不公平が出ないようにもしなければいけません。頭はこんがらがるし引き継ぎ書も役に立たない(´・ω・`)

他にも欲を言ったらキリがありません。食堂があと30分早く空けば効率的なスケジュールが組めるのに、部屋の人数制限がなければレクチャー受けられる人を増やせるのに、交通費がもっと安ければ参加費を下げられるのに、等々。

それをどうにか出来ることの中でベストを探すのが、運営の仕事です。コミみんなで意見を出し合って、喧嘩して、協力して、最終的に夏セミ3日間を無事乗り越えることが出来たのだと思います。
参加者のみなさんは大満足してくれた人もいれば不満に思ってしまった人もいると思います。もちろん不手際や考えの至らなさなど素直に反省すべき点も多いですが、想定された中ではかなりベターなセミナーを提供できたのではないかなと思っています。その裏には、コミの「少しでも良いディベート環境を提供したい」という強い気持ちがあったことを知ってもらえれば嬉しいなと思います。結局はコミもディベーターですから、ディベートが好きで好きで仕方ないんですよね。


セミナーの経験がどれだけ参加者の皆さんの役に立てたか、あるいは立てなかったか、その効果を具体的に測ることはできません。しかし、きっと何か学んだことを将来活かしてくれるだろうと信じています。


コミ・レクチャラーの方々
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私もTDやコミの経験がありますが、一つの大会やイベントを実現することは本当に大変だと感じたことを記憶しています。
新居さんをはじめとしたコミやレクチャラーの方々、本当にお疲れ様でした!

それでは。


2014/10/24

JPDU Japan Pre-Australs 2014


こんにちは!blog担当の高橋です。 

今回は621()に慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスで行われました、JPDU Japan Pre-Australsの報告をさせていただきます。この大会は年間でJPDU主催大会で唯一Australasian Styleという形式が採用されています。1日開催のオープン大会で、多くのディベーターが大学や学年の枠を超えてチームを結成し参加しました。

結果は以下の通りです。

Champion
Tomgun Stanley (Mitsushi Ono, Sayaka Nakano, Thomas Mallon) 

Finalist
Advance to Boardwalk (Akira Kato, Ryoya Kurauchi, Shota Ido) 

GF Best Speaker
Akira Kato (Advance to Boardwalk)

<Speakers Prize> 
Best Speakers: Thomas Mallon (Tomgun Stanley), Mitsushi Ono (Tomgun Stanley) 
3rd Best Speakers: Akira Kato (Advance to Boardwalk), Takeru Uchiyama (TitechA)
5th Best Speaker: Ryoya Kurauchi (Advance to Boardwalk) 
6th Best Speaker: Masahiro Ito (Titech A) 
7th Best Speaker: Sayaka Nakano (Tomgun Stanley) 
8th Best Speaker:Yuki Oka (Food for the KOJIKI) 
9th Best speakers: Shota Ido (Advance to Boardwalk), Yusuke Niitani (Pira Fan Club) 

<Team Rankings> 
1st: Tomgun Stanley (3wins 827pts)
2nd: Advance to Boardwalk (3wins, 821.33pts) 
3rd: TitechA (2wins, 818.17 pts) 
4th: Pira Fan Club (2wins, 807.17pts) 
5th: ICUA (2wins, 806.83pts) 

<Breaking Adjudicators> 
Ken Kuroki (CA) 
Chukara Mizokami (DCA) 
Darla Cornett (DCA) 
Hiroki Yokoyama (DCA) 
Kowa Niikura (DCA) 
Ryo Hayakawa 
Kuwa Inokuchi 
Fumiaki Todo 
Kanako Hayashi 
Hiroki Nakajou 
Tomoaki Tanaka 
Toshiki Sogabe

となりました。

この大会に関しては印象に残ったことがあります。それは前述の通り、多くの大学や学年の枠を超えてディベーターやジャッジが活躍したことです。優勝したTomgun Stanleyの3人は全員が違う所属であり、準優勝したAdvance to Boardwalkは東京大学の学部生・大学院生・卒業生によるチームでした。また、既に大学を卒業されたジャッジやディベーターがブレイクをするなど、本当に様々な人が活躍していたのが印象的でした。
このように大学や世代が入り乱れて、盛り上がるのも良いものですね。


さて、最後に今回の大会を運営してくださった方々を紹介します。
 運営委員会(Committee、通称コミ。会場確保や広報、点数集計などを行う)はこちらの方々でした。 


コミの方々


Tournament Director:Tom Ohtsuka (慶應義塾大学) 
Vice Tournament Director:Kasumi Nogawa (慶應義塾大学) 
Communication Director:Ayaka Nagasu  (青山学院大学) 
Financial Director:Takuma Yamagishi (東京大学) 
Media Director:Marie Shimoda (早稲田大学) 
Tournament Coordinator:Mari Hosoya (上智大学) 
Tabulation Director:Ryo Hoshino (一橋大学) 
Vice Tabulation Director:Daisuke Ujiie (東京工業大学)
Supervisor: Nao Tsugawa (一橋大学)

審査委員会(Adjudication Core、通称AC陣。議題作成、審査員評価を行う)はこちらの方々でした。

 Chief Adjudicator: Ken Kuroki (国際基督教大学) 
Deputy Chief Adjudicator:Chikara Mizokami (東京大学)
Darla Cornett (上智大学) 
Hiroki Yokoyama (京都大学) 
Kowa Niikura (東京大学/早稲田大学) 
でした。

大会を実際に開催のために、ここで名前を挙げた方々だけでなく、当日コミの方々や会場確保に協力してくださる方々など本当に多くの方々が協力しています。本当に皆さん、お疲れさまでした!

2014/07/01

4月会議・6月会議の報告

こんにちは、Blog担当の高橋です。


今回は、4月に国際基督教大学で開かれたJPDU会議と6月に学習院大学で開かれたJPDU会議のご報告を致します。

4月会議 議題
1. Spring Tournamentの反省
2. 大会出場資格について
3. 会場提供校のジャッジ免除の繰り越しについて
4. 地方大会の支援について
5. 秋のトーナメントについて
6. 高校との連携について
7. AC候補リストについて




会議の様子
1. Spring Tournamentの反省
議論は大会のコンセプトからメディア担当の業務の見直しまで幅広くなされ、次回大会以降で反省を生かすために引き継ぎ書が作成されることになりました。

2. 大会出場資格について
大学対抗大会において限られた条件で認められているジョイントの出場に関して議論されました。大学対抗大会においては大学を代表する団体が出場することができます。しかし、新興大学などは必ずしもチームを編成するのに十分な部員を擁していません。こうした場合のジョイントでの出場希望への対応や同一大学に複数の団体が出場した場合の対応について話し合われ、次回以降の会議で引き続き議論されることになりました。 
3. 会場提供校のジャッジ免除繰り越しについて
会場提供校に認められているジャッジ免除措置に関して、ジャッジ免除を次回以降の大会に繰り越すことを認めるのかについて話し合われました。これに関しては、関係各位との更なる協議や次回以降のJPDU会議での議論が続けられることになりました。
4. 地方大会の支援について
援助の仕方についての議論が行われました。資金面での援助や人材面での援助など援助のあり方について話し合われました。人材面での支援においては、タブや総合的なアドバイスに限るべきであると提起されるなど具体的にどこまでJPDUが支援可能であり、支援するべきなのかについて話し合われました。
5. 秋のトーナメントについて
秋のトーナメントの開催地やコスト、3日大会の可能性について話し合われ、今後更なる議論を行うことになりました。議論の活性化のためにディベート界に対するアンケートを実施することも決まり、秋の大会の具体化を今後更に進めていくことになりました。 
6. 高校との連携について
現在、複数の高校からレクチャーなどによる支援が要請されており、それらに対する対応について話し合われました。具体的には、レクチャーや指導を行う際の交通費や人選について話し合われ、どこまでレクチャラーなどの有志の自費で賄うのかについて話し合われ、基本的には自己負担の方針が決まりました。 
7. AC候補リストについて
資料部が審判委員の選出の基準となる候補リストを作成することを提案し、具体化が話し合われました。特に、Reservedの扱いをどうするのかについてなどが話し合われ、大会によって公開していないことや調査が難しいことからブレイクの実積よりも優先されない方針となりました。


この他、プレオーストラルの進捗状況についてTDから報告がされるなど、様々な議論が行われました。

引き続き、6月会議のご報告を致します。

 
6月会議 議題 
1. 特定大学から複数のディベート団体が大会への出場を希望した場合について
2. 九州で開かれる大会への支援について

3. 秋のトーナメントについて
4. 新規加盟大学について
でした。



会議の様子

 
1. 特定大学から複数のディベート団体が大会への出場を希望した場合について

前回の会議での議論が発展した形で、同一大学で複数の団体が活動している場合について話し合われました。ディベート界の規模が拡大していることに伴って、同一の大学に複数のディベートを活動する団体が生まれる場合が想定されます。実際に韓国のある大学では複数のディベート団体が同一の大会に別団体として出場しています。今回の会議では、大会に複数団体の出場を認める方針が確認されました。 
2. 九州で開かれる大会への支援について
現地コミッティーにより九州での大会が具体化しており、JPDUが具体的にどのような形で大会を支援をしていくのかが話し合われました。特に、大会にネームバリューを付けるためにJPDUの名義を貸すかどうかが話し合われ、今後の議決で結論が出されることになりました。 
3. 秋トーナメントについて
ディベート界で実施されたアンケートを参考にしながら、日程や開催地の検討がなされました。会場の確保の問題やコスト、大学の授業との兼ね合いなど様々な観点から話し合われ、今後の議決によって結論が出されることになりました。
4. 大学のJPDU新規加盟
関西外国語大学、名古屋工業大学、神戸外国語大学、拓殖大学(ATSD)がJPDUに新規加盟を申請しました。これらの大学のJPDU加盟を決めるかどうかの議決を行う方針が固められました。 
この他、KUELワークショップの報告が行われるなど様々な議論が行われました。 


今回の報告はこれで以上になります。
次回はプレオーストラルについてのご報告を致します。それでは、失礼します。

2014/05/25

春TTD高橋涼太朗氏への独占インタビュー

こんにちは!blog担当の井上です。
今回は春TTournament Director(TD)を務めた高橋涼太朗さん(慶應義塾大学3年)にインタビューを行ったので、ご報告したいと思います。

Closing Ceremonyにて
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5月初旬武蔵境の某所にて~


井上(以下井):高橋さん、TDお疲れ様でした!今日はよろしくお願い致します。

高橋さん(以下高):ありがとうございます。よろしくお願いします!

井:なんでTDをしようと思われたんですか?

高:とにかくコミが楽しそうだったからです!

井:なるほど。それにしても41920日に行われたディベートのすすめ(通称:ディべすす)に引き続いてのTDは大変じゃなかったですか?

高:いや~2週続けてはさすがに大変でした。でも優秀なコミやACの皆さんに恵まれたので、とても助かりました!

井:それはよかったですね!ひとり誰かの活躍を挙げて頂けますか?

高:そうですね~みんな素晴らしかったのですが、特にTabの倉内君(東京大学3年)の活躍はすごかったです!今回の大会は従来と違うディベートの評価シートを使っていたので、Tabの集計が大変だったはずなんです。それにも拘らず倉内君は素早く仕事をこなしてくれて、おかげで無事全試合を終えることができました。

井:なるほど、そういう職人の陰ながらのサポートのおかげで、僕達の大会は円滑に運営されているんですね。

高:そうですね、僕まで仕事なくなっちゃって本部での居場所がなくなっちゃいました笑

井:またまた~とかいいつつTDご自身が工夫して取り組まれた点について教えてください。

高:そうですね~色々あるのですが、まずは仕事の透明化を図ったことです。コミ全体の仕事の進行表を作成して互いにチェックできるようにしました。互いを批判できるような雰囲気を作ることで、仕事を滞りなくするように配慮しました。

井:なるほど、素晴らしいです!blog書くの遅れた僕には耳が痛い他にはどんなことが挙げられますか?

高:あとは、skypeでの会議を利用したことです。コミの皆さんとても普段忙しくて予定が合わなかったので、夜遅い時間帯でもskypeを使って会議することで、コミュニケーションの場を確保するようにしました。

井:なるほど、やっぱ高橋さん仕事なかったとか言いながらバリバリしてるじゃないですか(笑)さすが豊富な工夫を凝らされていたんですね!爪の垢煎じさせてください><
では最後に、ディベート界の皆さんに一言お願いします。

高:皆さん、時間を守ってください!!!!!特に試合後のジャッジによるフィードバックは必ずOR(控え室)に戻ってからお願いします><

井:業務連絡(笑)
ありがとうございました!

高:ありがとうございました!

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次回はJPDU3回会議についてご報告したいと思います。

それでは今日はこの辺で失礼します。

春T2014CA加藤彰氏によるご寄稿

こんにちは、blog担当の井上裕紀です。

今回は春TでChief Adjudicatorを務められた加藤彰さん(東京大学公共政策大学院2年)に、CAを務められたご感想を頂きましたので、ご紹介いたします。

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初めまして、東京大学公共政策大学院2年の加藤彰と申します。

この度は、先日行われましたJPDU Spring Tournament 2014においてChief Adjudicator(審査委員長)を行った際の感想を書かせて頂きます。
ただ、大会の運営がスムーズに行ったのは大会運営責任者や運営コミッティーの皆様、そして他の審査委員の皆様のおかげであることを強調させてください。


General Commentをされる加藤氏



今回個人的に気を付けようとしたのは、主に2点あります。



① ダイバーシティ(多様性)の重視
全国大会であるという趣旨から考えると、多くの地域から様々な大学・学年・国籍・ジェンダー等多くのバックグラウンドを持った人が集まっていると思います。
そう考えると、多くの人たちが楽しめる、満足できるようにできるだけ包括的な工夫を施そうと思いました。


そう考えると、審査委員もできるだけ多くの声を反映でき、また多くの視点が入っていることが望ましいと考えました。
したがって、審査委員としてはできるだけ色々な大学から、様々なバックグラウンドがいる人と行いたいと思いました。
実際、5人の審査委員団は非常に自分が気づかなかった視点ばかりでかなり勉強になりました。
「このような議論がされていて」「こういうことが現実社会では起きていて……」等本当に学ぶことが多かったです。


そして、議題もできるだけ多くのテーマを採用しようと思いました。
これを行った理由としては単純にその方が面白いというのもありますが、一つに偏らないことで公平性をより担保し、またディベートの魅力の一つである「様々な社会現象に触れる」ことを促進したいと思ったからです。
私自身、多様な議題を出す過程で様々な文献にあたり、非常に楽しかったです。「こんなシステムがあるのか!」と知った時の感動は大きかったです。
また、最近アジア大会、北東アジア大会、世界大会等多くの大会に日本人が参加していている中である苦しみの声として「海外で議論されていることが分からない」というところにも対応したかったです。
もちろん、今回の審査委員団の好みや趣向が反映されていることは否めませんが、できるだけ似たようなテーマは排除することに努めました。
具体的には、世界中で話題になっている内容(マレーシアにおける民族ベースの学校、ドイツでの『我が闘争』を巡る論争)に多く触れつつ、国内での議論(「キラキラネーム」、三鷹のストーカー事件で問題になったリベンジポルノやストーカー規制法)にも数多くスポットライトをあてたつもりです。


また、ルーキーチームに関しても積極的に評価が高い審査委員が試合を見ることによって将来へのバトンを託せるようにと思っていました。



② 基本を意識できる環境づくり
今回最初の大会に関する説明(ブリーフィング)においてもディベーターに対してディベートの基本である部分を数多く強調したつもりです。
「なぜこの議論がされているのだろう?」「誰がこういう主張をしているのだろう?」「具体的には何が起こっているのだろうか?」というようなことを意識することで、ディベートの本質である「肯定側」「否定側」に分かれて第三者を説得することをしてもらいたいと思っていました。


また、特に今回力を入れたのは審査員(ジャッジ)に対する環境づくりです。
審査委員団としては暗中模索な部分もあったのですが、より良い審査委員を目指して競技に参加している人も多いため審査員に対する評価基準を明確化・細分化しました。
また、大会の事前に行うジャッジテストのコメントも1人1人に返しました。
また、各ラウンドにおいてジャッジ同士でフィードバックを行うことを義務化致しました。


すごくあたりまえかもしれませんが、将来うまくなるには「自分が今何が必要か」と知ることから始まると思います。そしてディベーターに対してはフィードバックが多いもののジャッジに対してはないのは残念だと思っていてこういった制度の導入を決めました。


長くなってしまいましたが今回の大会の感想は以上となります。
JPDUのもとで審査委員団に入ったのは3回目で、それ以外の大会を含めると9回目の審査委員団の経験だったのですが、本当に楽しかった大会でした!!!
ひとえに、大会運営コミッティーと審査委員、そしてその他参加者や応援をして頂いた皆様のおかげです。
ディベート6年目に入る身として、また来年から就職することからも今後また審査委員団に入ることはおそらく最後だと思うのですが、最後に本当に良い思いをさせてもらいました。
運営側の人たちはみんな良い人たちばかりで、笑いが絶えませんでした。
心の底から、やってよかったと思えた大会でしたし、今もまだ夢の中にいるような感覚です。
一生印象に残る大会でした。大切な思い出としたいと思います。


今後のディベート界の発展を心から願っています。
より多くのディベーターが楽しんで、成長できる環境になることを祈っています。


加藤彰


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加藤さん、大変お忙しい中ありがとうございました!
次回はTD高橋涼太朗さんへのインタビューをご紹介します。

それでは今回はこれで失礼いたします。

2014/05/24

JPDU Spring Tournament 2014

こんにちは!JPDU2014年度広報の井上裕紀です。

若葉が生い茂る季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。


今回は426()27()に行われました、JPDU Spring Tournament (通称春T)の報告をさせていただきます。初日の予選大会が横浜市立大学で、二日目の決勝トーナメントが国際基督教大学で行われました。

この大会は年間でJPDUトーナメントと呼ばれる3大大会(春T、秋TJapan BP)では唯一Asian Styleという形式が採用されています。今回は全国から総勢64チームが出場し、Asian日本一の座を争いました。



結果は以下の通りです。

Main
Champion
Tokyo A (東京大学:Thomas Mallon, Yuki Tominaga, Kowa Niikura)

Finalist
Tokyo C (東京大学CChikara Mizokami, Fumiko Hirasawa, Yusuke Niitani)

Semi Finalist
ICU A (国際基督教大学:Takahiko Kondo, Hitomi Takai, Ken Kuroki)
Kyoto A (京都大学:Nobumasa Tagai, Hiroki Yokoyama, Yongrak Jeong)

Quarter Finalist
Hit-U A (一橋大学:Stevensen, Kengo Matsunaga, Wakano Takeuch)
Hit-U C (一橋大学:Ryo Hoshino, Tomonori Muraoka, Yusuke Yoshida)
WAD A (早稲田大学:Shingo Fujita, Kosuke Morikawa, Tatsumi Uchiyama)
WAD B (早稲田大学:Yosuke Mio, Kazuma Tadakoshi, Eikichi Wakaki)

Oct Finalist
ICU B (国際基督教大学:Satoshi Fujihara, Junpei Sekiguchi, Hyo Takaki)
KDS A (慶應義塾大学:Maoya Sato, Tom Ohtsuka, Kasumi Nogawa)
Kyoto B (京都大学:Keitaro Okahashi, Saki Nishioka, Kaoru Miyazaki)
OPU A (大阪府立大学:Kenta Miyahara, Kei Yamamoto, Mizuki Kusaka)
Osaka A (大阪大学:Yuriko Inoue, Hayase Takemura, Risa Shibata)
Osaka B (大阪大学:Ryota Kosuge, Hiroki Shibata, Yohei Nakanishi)
Tokyo D (東京大学:Kanako Hayashi, Hiroaki Mabuchi, Yuka Kawai)
YCU A (横浜市立大学:Sachika Abe, Tsukio Yamasita, Naoko Sigeta)

Rookie
Rookie Champion
Tokyo E (東京大学:Risa Shishikura, Takuma Yamagishi, Akira Ono)

Rookie Finalist
Hit-U E (一橋大学:Hiroki Maruoka, Anna Nagayama, Nana Mizukami)

Rookie Semi Finalist
Sophia B (上智大学:Chinatsu Hara, Keiichiro Furuya, Kazuya Nomura)
Hit-U D (一橋大学:Toshiki Sogabe, Soh Arai, Kiko Asakawa)

Rookie Quarter Finalists
Tsuda A (津田塾大学:Sayaka Saito, Ayana Hosobe, Rika Yoshizumi)
Joint A (お茶の水女子大学:Momoka Hayashida、無所属:Yutaka Kasahara、津田塾大学:Mayuko Nagata)
ICU C (国際基督教大学:Marimo Karaki, Xiaotian Zhao, Mai Hirata)
Seikei F (成蹊大学:Nao Honda, Zeng Jie, Yukako Kameyama)

Speaker Prize
Main
The Best SpeakerStevensen (Hit-U A)
The 2nd Best SpeakerThomas Mallon (Tokyo A)Shingo Fujita (WAD A)
The 4th Best SpeakerKowa Niikura (Tokyo A)
The 5th Best SpeakerWakano Takeuchi (Hit-U A)
The 6th Best SpeakerFumiko Hirasawa (Tokyo C)
The 7th Best SpeakerYuki Tominaga (Tokyo A)
The 8th Best SpeakerHitomi Takai (ICU A)
The 9th Best SpeakerKengo Matsunaga (Hit-U A)
The 10th Best SpeakerTakahiko Kondo (ICU A)

Rookie
Best Rookie SpeakerShimon Nakayama (KDS B)
2nd Best Rookie SpeakerKazuma Tadakoshi (WAD B)
3rd Best Rookie SpeakerRyo Hoshino (Hit-U C)
4th Best Rookie SpeakerEikichi Wakaki (WAD B)
5th Best Rookie SpeakerTakuma Yamagishi (Tokyo E)Kaoru Miyazaki (Kyoto B)
Soh Arai (Hit-u D)Risa Shibata (Osaka A)Tom Ohtsuka (KDS A)

Breaking Teams
1st: Hit-U A
2nd: Tokyo A
3rd: ICU A
4th: Tokyo C
5th: WAD A
6th: WAD B
7th: Hit-U C
8th: OPU A
9th: Kyoto A
10th: Osaka B
11th: Osaka A
12th: Tokyo D
13th: Kyoto B
14th: KDS A
15th: YCU A
16th: ICU B

Rookie Breaking Teams
1st: Hit-U D
2nd: Sophia B
(3rd: Seikei C, swing)
4th: ICU C
5th: Joint A
6th: Hit-U E
7th: Tokyo E
8th: Tsuda A
9th: Seikei F

となりました。


総合優勝の東京大学A

ルーキー優勝の東京大学E

東京大学は昨年のPre-Austral以降JPDUが主催する大会では5連覇しているそうです。優勝おめでとうございます!



今回の春Tに関して言いたいことは山ほどあるのですが、一つ絞って言うならば多様な大学が活躍し結果を残したという点が特徴的でした。
特に関西の大学で、昨年はブレイクしたのは京都大学の1チームでしたが、今年は京都大学、大阪府立大学、大阪大学から5チームがブレイクしました。関東に比べディベートを行う大学が少なく大学間の練習がしづらいことや、またJPDUトーナメントや他のメジャー大会の多くが関東で行われるなどの理由から、関西の大学は地理的に不利な条件で競わなければなりません。そのような状況を乗り越えた関西の大学の皆様のご活躍を見て、私的な感想ではありますがとても感銘を受け、頑張らなければと刺激を頂きました!横浜市立大学もJPDUが主催する大会としては(おそらく)2007年以来のブレイクを果たしましたし、Rookie Breakした8チームに7大学が入ったということで、今後ディベート界の勢力図が変わっていく予感がしてきました。今後が楽しみですね!




さて、最後に今回の大会を運営してくださった方々を紹介します。

運営委員会(Committee、通称コミ。会場確保や広報、点数集計などを行う)はこちらの方々
Tournament DirectorRyotaro Takahashi (慶應義塾大学)
Vice Tournament DirectorKeisuke Takashima (青山学院大学)
Communication DirectorRisa Kido (上智大学)
Financial DirectorAzusa Ohshima (聖心女子大学)
Media DirectorYoko Yamagishi (津田塾大学)
Tournament CoordinatorYuki Kokai (国際基督教大学)
Tabulation DirectorRyoya Kurauchi (東京大学)
Vice Tabulation DirectorMomoko Nakai (青山学院大学)

審査委員会(Adjudication Core、通称AC陣。議題作成、審査員評価を行う)はこちらの方々
Chief Adjudicator
Akira Kato (東京大学)
Deputy Chief Adjudicator
Satoru Nabeshima (神戸大学)
Mitsushi Ono (慶應義塾大学)
Ayane Nomura (国際基督教大学)
Daichi Nemoto (成蹊大学)

でした。


ここに名前を載せた方の他にも当日手伝いをしてくださった方も多くおり、そうした多くの方々の陰ながらの準備や努力のおかげで大会が成り立っています。円滑な運営をしてくださり、ありがとうございました!



さて、近日中にコミからTournament Directorの高橋涼太朗さん(慶應義塾大学3年)に、AC陣からはAC代表であるChief Adjudicatorの加藤彰さん(東京大学公共政策大学院2)に、感想を書いていただこうと思います。大会の舞台裏でどのような苦労や努力が行われているのか、是非皆様に知っていただけると幸いです。



それでは今回はこの辺で失礼いたします。